介護が必要でも自立できる!支援サービスと工夫を紹介
- 株式会社アゲイン
- 3月25日
- 読了時間: 13分
更新日:4月10日

▶︎1. 介護と自立の関係とは?

高齢になると、どうしても身体の機能が衰え、日常生活でサポートが必要になることがあります。でも、「介護が必要=完全に依存する」というわけではありません。適切な介護を受けながらも、自分でできることを維持することが大切です。
ここでは、介護と自立の関係について詳しく解説していきます。
1.1 介護が必要でも自立は可能?
「介護が必要になったら、自立した生活はできないのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。でも、介護を受けながらも、自立を維持することは十分可能なんです。
自立とは?
自立には大きく分けて、次の2つの側面があります。
自立の種類 | 内容 |
身体的自立 | 歩行や食事、排泄などを自分で行える状態 |
精神的自立 | 自分で意思決定をし、主体的に生活できる状態 |
たとえ身体的な介助が必要でも、精神的な自立を保つことができれば、充実した生活を送ることができます。
介護があっても自立を維持する方法
介護が必要になっても、できることを続ける工夫をすることで自立度を維持できます。
例えば、
介護者がすべてをやるのではなく、できる範囲で本人に任せる
福祉用具を活用して、自分で動ける環境を整える
日常生活の中でリハビリを取り入れる
こうした工夫をすることで、介護を受けながらも自分らしく暮らせるんです。
1.2 介護と自立のバランスの重要性
自立を意識するあまり、無理に頑張りすぎると逆に身体に負担がかかることもあります。反対に、介護が過剰になりすぎると、できることまで奪われてしまい、生活の質が低下してしまうことも。介護と自立のバランスを取ることがとても大切なんです。
過介護にならないために
介護者が「大変だから」とすべてをやってしまうと、本人の自立の機会が失われてしまいます。例えば、
食事をすべて介助せず、スプーンを持つ練習をする
車椅子を使う前に、できるだけ歩く機会を作る
「手伝う」ではなく「サポートする」意識を持つ
このように、自立を促す介護を意識することが重要です。
本人の意欲を大切にする
自立を維持するには、本人の「やってみたい」「自分でできることはやりたい」という気持ちがとても大切です。
無理強いせず、寄り添いながらサポートする姿勢が求められます。
介護と自立は対立するものではなく、適切な介護があるからこそ、自立を保つことができるんです。次の章では、具体的にどんな介護が自立を促すのか、詳しく見ていきましょう。
▶︎2. 自立を促す介護のポイント

介護をするうえで、「しっかりサポートしなければ」と思うあまり、つい手を出しすぎてしまうことがあります。
でも、必要以上のサポート(過介護)は、本人の自立を妨げる原因になることも。適度にサポートしながら、自分でできることを増やしていく工夫が大切です。ここでは、過介護を防ぎながら自立を促すためのポイントを紹介します。
2.1 過介護にならないための工夫
「転ぶと危ないから歩かせない」「時間がかかるから手伝う」などの理由で、必要以上に手を出してしまうことがあります。でも、過介護になると、本人が持っている力をどんどん奪ってしまうことに。
過介護による影響
過介護が続くと、次のような問題が起こる可能性があります。
過介護による影響 | 内容 |
筋力や体力の低下 | 動かなくなることで、身体機能が衰える |
生活意欲の低下 | 何もしなくても生活できるため、やる気がなくなる |
認知機能の低下 | 考える機会が減り、認知症のリスクが高まる |
過介護を防ぐためのポイント
過介護を避けるために、次のような工夫を取り入れてみましょう。
「見守る介護」を意識する(危険がなければできるだけ本人に任せる)
時間がかかっても待つ(急かさず、本人のペースで取り組んでもらう)
道具や環境を整える(福祉用具や手すりを使って自力で動けるようにする)
このように、できることを少しずつ増やしていくことが大切です。
2.2 できることを増やすサポート方法
介護を受けながらでも、自分でできることが増えると生活の満足度が上がり、自信を持てるようになります。そのためには、サポートの仕方がとても重要です。
できることを増やす工夫
少しの工夫で、本人が自立しやすくなります。
選択肢を与える(「何が食べたい?」など、自分で決める機会を作る)
成功体験を積ませる(できたことをしっかり褒める)
無理なく挑戦できる環境を作る(座ったままでもできる運動を取り入れる)
「やればできる!」という経験を積むことで、自分でやろうとする意欲が高まります。
2.3 介護者の関わり方で変わる自立度
介護をする側の接し方次第で、本人の自立度は大きく変わります。介護者が過保護になりすぎると、自分でやろうとする意欲が低下してしまうことも。
自立を促す接し方のポイント
できたことをしっかり褒める(「すごいね」「頑張ったね」と声をかける)
「やってあげる」ではなく「一緒にやる」意識を持つ
焦らず見守る(ゆっくりでも自分でやることを大切にする)
このように、介護者の関わり方ひとつで、本人の意欲や行動が変わります。無理なく、楽しく自立を促せる介護を心がけましょう。
▶︎3. 自立を支える具体的なケア方法

介護が必要になっても、適切なサポートがあれば「できること」を維持しながら暮らすことができます。自立を支えるためには、生活の中で自然に体を動かす「生活リハビリ」、福祉用具や住宅改修の活用、そして本人の意欲を引き出す声かけや接し方が大切です。
ここでは、具体的なケア方法を詳しく解説していきます。
3.1 生活リハビリの取り入れ方
生活リハビリとは?
生活リハビリとは、特別なトレーニングではなく、日常生活の動作そのものをリハビリにする方法です。たとえば、歩行訓練のためにわざわざ運動の時間を取るのではなく、「自分でトイレに行く」「食事の準備を手伝う」といった日常の動作を意識的に続けることで、機能の維持や向上を図ります。
この方法は、負担が少なく、自然に続けやすいというメリットがあります。また、「自分でできた!」という成功体験が自信につながり、意欲を高める効果も期待できます。
生活リハビリの具体例
生活場面 | 取り入れられるリハビリ | 期待できる効果 |
食事 | 箸やスプーンを使う、食器を運ぶ | 手指の動きの維持、脳の活性化 |
着替え | 自分で袖を通す、ボタンを留める | 指先の器用さを保つ、認知機能の刺激 |
掃除 | 雑巾を絞る、軽いホウキを使う | 上半身の筋力維持、バランス感覚の向上 |
買い物 | 品物を選ぶ、財布からお金を出す | 判断力の向上、手指の運動 |
生活リハビリを続けるためのポイント
「やらせる」のではなく「一緒にやる」意識を持つ
介護者がすべてを行うのではなく、本人ができる範囲で関わることが大切です。
時間がかかっても焦らない
本人のペースを尊重し、「急がせない」「待つ」ことも重要なサポートになります。
小さな成功を積み重ねる
「今日は自分でボタンを留められたね!」など、できたことを肯定的に伝え、達成感を持たせましょう。
「リハビリ」と構えるのではなく、日常の動作そのものを大切にすることで、自立した生活を続けやすくなります。
3.2 福祉用具や住宅改修の活用
介護が必要な方が安全に、自立した生活を送るためには、住環境を整えることが欠かせません。福祉用具や住宅改修を適切に取り入れることで、本人の負担を軽減しながら、自立度を高めることができます。
役立つ福祉用具
用具 | 目的・効果 | 活用のポイント |
手すり | 立ち上がりや移動をサポートする | トイレや浴室、玄関などに設置 |
歩行器・杖 | 転倒防止、歩行の安定 | 本人に合った高さや形状を選ぶ |
介護ベッド | 起き上がりや寝返りを楽にする | ベッドの高さを調整し、立ち上がりやすくする |
自助具(箸、ボタンかけ補助具など) | 手指の機能を補助する | 使いやすいものを選び、無理なく使う |
適切な福祉用具を導入することで、「介護される」から「自分でできる」に変えることが可能になります。
住宅改修のポイント
家の中の環境を整えることで、より自立しやすい生活が実現できます。
段差の解消(つまずきやすい場所にスロープを設置)
ドアを引き戸に変更(開閉をスムーズにして移動の負担を減らす)
トイレや浴室の手すり設置(安全に移動できるようにする)
滑りにくい床材に変更(転倒リスクを低減する)
こうした改修を行うことで、介護を減らしながら自立を促すことができるのです。
3.3 自立心を育む声かけや接し方
自立を支えるためには、介護者の接し方が非常に重要です。本人の意欲を引き出し、「自分でやってみよう」という気持ちを育てる声かけを意識することが大切です。
効果的な声かけの例
声かけの工夫 | 具体例 | 期待できる効果 |
選択肢を与える | 「お茶とコーヒー、どっちがいい?」 | 自分で決める習慣をつける |
成功を褒める | 「今日は自分で靴下を履けたね!」 | 達成感を持たせる |
無理のない挑戦を促す | 「一緒にやってみようか?」 | 意欲を引き出し、行動につなげる |
「やらせる」のではなく、「一緒にやる」意識を持つことで、無理なく自立を促すことができます。
避けたい声かけの例
「危ないからやらなくていいよ」 → やる気を奪う原因に
「時間がかかるから手伝うね」 → 自立の機会を奪ってしまう
「どうせできないでしょ?」 → 自信を失わせてしまう
ポジティブな声かけを意識することで、本人が「やってみたい」と思える環境を作ることができます。
介護を受けながらでも、工夫次第で自立を維持することは可能です。生活リハビリや住環境の整備、そして適切な声かけを組み合わせて、無理なく自立を支える介護を目指しましょう。
▶︎4. 自立支援に役立つ介護サービス
自立を促すためには、適切な介護サービスを利用しながら、本人の「できること」を増やしていくことが大切です。介護者がすべてを抱え込むのではなく、デイサービスや訪問リハビリなどの専門的な支援を取り入れることで、本人の身体機能や意欲を維持しやすくなります。
さらに、地域の支援制度を活用したり、家族や周囲の協力を得たりすることで、より良い介護環境を整えることができます。
4.1 デイサービスや訪問リハビリの活用
介護保険サービスの中でも、自立支援に役立つのがデイサービス(通所介護)や訪問リハビリです。
デイサービスの特徴と役割
デイサービスは、日中に施設へ通い、リハビリやレクリエーションを受けながら、社会参加や生活リズムの維持ができるサービスです。
デイサービスで受けられる主なサービス
運動プログラム(ストレッチ・歩行訓練・筋力トレーニングなど)
生活リハビリ(料理・洗濯・掃除などの実践的な訓練)
レクリエーション(ゲーム・カラオケ・手芸などの趣味活動)
食事や入浴支援(日常生活の維持・向上につながる)
デイサービスの利用者の中には、「通うようになってから、歩けるようになった」「人と話す機会が増えて元気になった」という方も多く、特に閉じこもりがちな方や、運動不足が気になる方におすすめです。
訪問リハビリの重要性
訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士が自宅を訪れ、自宅の環境に合わせたリハビリを提供するサービスです。
訪問リハビリが役立つ理由
実際の生活環境に合わせたリハビリができる(ベッドや階段の使い方などを指導)
通う必要がないため、体力のない方でも継続しやすい
家族もリハビリの方法を学べるため、日常生活でのサポートがしやすくなる
訪問リハビリは、自宅での自立した生活を続けるために欠かせないサービスの一つです。デイサービスと組み合わせることで、より効果的な自立支援ができます。
4.2 地域の支援制度を利用する
介護サービス以外にも、地域の支援制度を活用することで、より自立しやすい環境を整えることができます。
介護保険制度を活用する
介護が必要になった場合、まず検討すべきなのが介護保険サービスの利用です。
要介護・要支援の認定を受けることで、以下のようなサービスを利用できます。
介護サービス | 内容 |
訪問介護 | 自宅での家事や入浴、排泄の介助を受けられる |
通所介護(デイサービス) | 日中に施設でリハビリやレクリエーションが受けられる |
福祉用具レンタル | 車椅子や手すりなどを低コストで借りられる |
住宅改修 | 手すりの設置や段差の解消などの補助を受けられる |
これらのサービスを適切に活用することで、本人の自立度を高めながら、介護者の負担を軽減することができます。
地域包括支援センターの活用
地域包括支援センターは、高齢者やその家族が相談できる総合窓口です。
利用できる主な支援
介護サービスの紹介・手続きのサポート
介護予防プランの作成
高齢者の見守り活動
生活や健康に関するアドバイス
「どのサービスを利用すればいいかわからない」「介護の負担が大きい」と感じたら、一度相談してみるとよいでしょう。
移動支援・配食サービスの活用
外出が難しくなると、社会とのつながりが減り、身体機能や認知機能が低下しやすくなります。 そのため、移動支援や配食サービスを活用することで、自立した生活を続けやすくなります。
移動支援サービス:通院や買い物の送迎をしてくれる
配食サービス:栄養バランスの取れた食事を自宅に届けてくれる
これらを活用することで、健康的な生活を維持しながら、自分の力で生活できる時間を延ばせます。
4.3 家族や周囲の協力の大切さ
介護をするうえで、家族や周囲の協力は欠かせません。 本人が「まだできる」と思える環境を作るためには、家族の接し方や関わり方が重要なポイントになります。
家族ができる自立支援のサポート
サポート内容 | 具体例 |
できることを見守る | 手を出しすぎず、本人が自分でやる機会を作る |
前向きな声かけをする | 「すごいね」「頑張ったね」と励ます |
介護サービスを活用する | 家族だけで無理せず、適切な支援を受ける |
また、近所の人との関わりや趣味の活動を続けることも、自立を維持するためには大切です。
介護者の負担を減らすことも重要
家族がすべてを抱え込んでしまうと、介護者自身が疲れてしまい、良い関わりができなくなることもあります。そのため、次のようなことを意識しましょう。
完璧な介護を目指さない(できる範囲で無理せず続ける)
周囲に頼る(デイサービスや訪問介護を活用する)
自分の時間も確保する(介護者の心の余裕も大切)
介護は一人で抱え込まず、家族や地域、専門職と協力しながら進めることが大切です。
▶︎5. まとめ
介護が必要になったからといって、自立した生活をあきらめる必要はありません。適切なサポートを受けながら、自分でできることを維持・向上させることで、より充実した暮らしを送ることができます。
5.1 介護があっても「自立」は叶う
「介護=完全に依存する」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、介護を受けながらでも、自分らしく生活することは可能です。
過介護を避け、本人のペースを大切にする
生活リハビリや福祉用具を活用して、できることを増やす
デイサービスや訪問リハビリを利用し、専門的なサポートを受ける
こうした工夫を取り入れることで、介護を受けながらも「自分でできる!」という気持ちを持ち続けられます。
5.2 家族も一緒に前向きな介護を
介護は、本人だけでなく、家族や周囲の人との関わりも大切なポイントです。
無理をせず、介護サービスを上手に活用する
「やってあげる」ではなく「一緒にやる」意識を持つ
ポジティブな声かけで、自立の意欲を引き出す
家族も適度に支援を受けながら、「どうすれば自立をサポートできるか?」と前向きに考えることで、より良い介護が実現できます。
介護が必要になっても、自分らしい生活を続けることは可能です。 家族や周囲の協力を得ながら、前向きな介護を目指しましょう。
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